【実体験】格闘技・武術を習得するまでにかかる期間:アーニスを例にして話します
こんにちは。
以前友達から武術や格闘技はどれくらいの期間で習得できるの?と聞かれました。
手っ取り早く強くなりたい。どれくらいの期間で強くなれるの?
武術・格闘技をこれからはじめようとしている人にとってはよくある疑問だと思います。
まあ、武術や格闘技の習得の基準なんて人それぞれなんですけどね(笑)
人それぞれで終わらせてしまったらなんの参考にもならないので。今回は僕なりに武術・格闘技の習得についての考え方をまとめてみました。
僕がアーニスで初段を獲得するのにかかった期間や目標の決め方も紹介するので是非参考にしてみてください。
前提として習得の基準は人によって違う
結論、武術・格闘技の習得の基準は人によって違います。
それは、人によって何を目指して武術・格闘技をはじめるかが違うからです。
強くなりたいから、プロになりたい、健康のためのエクササイズとしてはじめたい、護身として習得したい、アクション映画のようなかっこいい動きができるようになりたい、など人によって動機は様々です。
なので武術・格闘技を習得するまでにかかる期間はこれくらい!って断言できる人は恐らくいないんじゃないかなと思います。
完璧を求めると武術・格闘技には終わりがない
武術・格闘技の習得の基準を達人やプロになることと定めた場合、長い時間とたくさんの膨大な練習量が必要です。
しかし、達人やプロレベルにならないと習得したことにならないのかというと僕はそんなことないと思います。
例えば、プロにならないと習得したといえないのであれば、プロ野球選手以外は野球ができるとはいえないです。
高校球児や草野球やっている人にも野球が上手い人はたくさんいますよね。
武術や格闘技もそうですが、達人やプロでなくても上手い人や強い人はたくさんいます。なので、何を基準に習得と見なすかは、人それぞれ勝手に決めて良いと思います。
もっと強く速いパンチを打つにはどうすればいいか、どうやったら技を綺麗に出せるかという細かいところを追求しはじめると正解がなく終わりもありません。
愚地独歩の突きみたいなもので絶対に1に辿り着かない世界です。愚地独歩は60年かけて辿り着きましたけど本当にそういう世界です。
アーニスで初段を取るまで
例として僕が東京に住んでいた頃、アーニスで初段を取得するまでにかかった期間と練習量の話をします。
武術・格闘技によって初段取得にかかる時間は違うと思いますが、参考にしてみてください。
僕がアーニスの初段を獲得するまでにかかった期間は1年と1,2ヶ月くらいです。周りの人と比べると、遅くもなく早くもない初段取得だったかなと思います。
練習は週2回で通っていました。当時はフリーターでしたが、一応働いていたので、普通の社会人が武術を習うペースで練習していたと思います。
週2回といえど自分的には割と熱心に練習していたので、週1回ペースだったら初段取得までにもっと時間がかかっていたかもしれません。
因みに、僕は東京でアーニスをはじめる前は小〜中学時代にテコンドー、高校時代にキックボクシングを少しやっていました。
しかし、大学時代は貧乏学生だったのでアルバトばかりで武術や格闘技はやっていませんでした。
ブランクもあったので、未経験者に毛が生えたくらいのレベルからのスタート。
なので、武術・格闘技未経験の人でもちゃんと練習すれば同じくらいのペースで初段が取れるんじゃないかと思います。
自分の中で習得における目標を決める
さきほど、武術には終わりがないと書きましたが、終わりがない故に自分の中で目標を決めてしまうことが大切です。
自分で目標を決めてそれをクリアしていけば確実に上達していきます。
下記では僕が目標にしてきたこと、目標にしていることを簡単に紹介します。
段位取得を目標にする
段位の取得は誰でも目指せるわかりやすい目標です。初段の取得というのは、その武術・格闘技においての基本的な技術を網羅することで取得できます。
初段は習得の1つの基準として丁度いい目標だと思います。
段位はきちんと練習を継続せずに取得できるものではないので、初段が取れる頃には次の目標が見つかっているはずですよ。
身近な上級者を目標にする
武術や格闘技をはじめると、どこの道場やジムにもひときわ目を引く先輩が高確率でいます。
自分がこの人は強いなとか、この人くらいできるようになりたいと思える人を目標に練習すると上達が速くなると思います。
武術や格闘技において、上級者の真似をするのは上達の近道です。また、上達して目標とする人と対等に練習や組手ができるようになれば、自分の成長を実感できると思います。
指導者になることを目標にする
武術や格闘技というのは継続して練習していけば指導者を目指すことができます。
プロや専業となると誰でもなれるものではありませんが、長く続けていれば人に教えることができるレベルにはなれます。
人に教えるとなると、質問に答えられる知識や技術が必要です。1つの武術や格闘技で人に教えられるレベルになれば間違いなく習得したといえるでしょう。
とりあえずやってみる
武術や格闘技の習得にどれくらい時間がかかるか気になる人は、体験でもいいのでまずやってみることをおすすめします。
やってみると自分が想像していたより遥かに難しい可能性もあるし、想像より面白くてのめり込んでしまうかもしれないです。
先生や先輩に話をきいたり、実際にやってみることで自分がイメージするレベルはどれくらいの期間で習得できるのかがわかると思います。
武術や格闘技をはじめるなら、できるだけ明確に自分のなりたい理想像をイメージしてみてください。
自分の中の目標を決めて、それに向けてしっかりと練習を積み重ねていけば、いつの間にか思い描いていた理想の自分を超えることができるのではないかと思います。
僕も理想の自分をイメージしながら日々練習に励んでいます。一緒に頑張りましょう。
【コスパ最強】セブ島の格闘技事情|ジムと料金
私事ですが先月からキックボクシング始めました。
ブランクがかなりあるのですが、高校生の頃習っていたことがあるので正確には再開ですかね。
毎週フィリピン武術は休まず練習しているのですが、フィリピンがロックダウンに入ってから外出頻度がだいぶ減ってしまいました。なので日常の運動量をもう少し増やしたいなと以前から考えてたんですよ。
セブに来て2年以上が過ぎ、ようやく最近お金と時間に少し余裕が出てきました。
フィリピン武術の練習に影響しない範囲で、平日の仕事終わりに何かできないかと思い探してみた結果キックボクシングにたどり着いたわけです。
今は週3回仕事終わりに通っています。運動量がかなり高いので良いフィジカルトレーニングになっています。今後できれば週4か5に増やしていきたいです。
さて、キックボクシングにたどり着く過程で色々調べてみたところ、セブにも沢山の武術や格闘技のジムがあります。そして物価が安いので日本とは比べるとかなり安く習えるんですよ。
セブに住んでいる人やこれから長期で滞在したいと思っている人であれば格闘技を習いに行くのはコスパの良い趣味としておすすめです。日系企業の給料なら興味あるもの全部習えますよ。
今回はセブの格闘技事情と調べてみて分かった習える格闘技と料金について書いてみようと思います。フィリピン武術要素はほぼありません。ご了承ください。
セブの格闘技事情
一般的にセブと聞いて格闘技のイメージがある人はあまり、いないんじゃないかと思います。
「いや、フィリピン武術があるだろ」「アーニスのメッカじゃん」と思った人は知識が豊富な方です。
僕はセブでアーニスを知っている日本人を1人も見たことがありません。
留学や観光目的で訪れる日本人でセブに武術や格闘技のイメージを持っている人は極めて少ないと思われます。
そんな格闘技のイメージの無いセブですが、実はジムはそれなりにあります。
こちらで知り合ったフィリピン人も格闘技やっている、もしくはやっていたという人は結構な割合です。
僕がセブで知り合った人の中で多かったのはボクシング、空手、テコンドーあたりですね。
調べてみると種類も豊富でメジャーな格闘技はほぼ習えます。日本のジムほど設備が充実していたり綺麗なジムはあまりないですが、日本ではありえない値段で通えます。
格闘技のジムのシステムも現地に根ざした特徴があります。
どこのジムにもほぼ必ずあるのが日払いシステムです。
フィリピン人は常に今を生きています。宵越しの銭など持ちません。国民の大半が銀行口座を持っていません。江戸っ子も真っ青です。
なので月単位でお金を払うなんてとても無理という生徒が多いわけです。月謝制だけだと誰も習いに来れなくなってしまいます。フィリピン人の気質に合わせたシステムと言えるでしょう。
日払いシステムのおかげでどこのジムも気軽に体験に行けます。出稽古にも気軽に行けるのでフィリピン人でなくてもありがたいシステムですね。
あともう一つ、フィリピンの格闘技のジムは公式サイトが無いところが多いです。
ほとんどのジムはFacebookを公式サイト代わりに使っています。さすがはFacebook普及率世界一ですね。しかし、Facebook使い慣れてないと情報が見つけにくいです。
セブで習える格闘技とジムの料金
今回調べて見つけたセブ内のジムとその値段について紹介します。日本で格闘技習っている人には、フィリピンのジムがいかに安いかわかりやすいんじゃないかと思います。
値段はペソで紹介しています。為替の変動によりますが大体1ペソ2.15円から2.25円くらいだと思ってください。
2倍より少しプラスすると日本円になる感じです。
ボクシング
フィリピンといえばボクシングですよね。マニー・パッキャオは大人気で試合が放送される日はたとえ日中でも外から通行人や車が消えて町が静まり返るほどです。
競技人口も多いのでセブにも沢山のボクシングジムがあります。フィリピン国内で世界ランカーが最も多いのはセブだという話も聞いたことがあります。
セブで1番人気があるALA Boxing Gymを例に紹介します。
料金は1回なら250ペソ、月払いで2500ペソ。
2500ペソ払えば1ヵ月間毎日通い放題です。ALA Boxing Gymはフィリピン国内だと料金の高いジムになりますが、日本のジムと比較しても劣らないほど設備が充実しています。日払いで気軽に通えるので日本人の留学生で通ったりする人も多いみたいです。
日本のボクシングジムと違うなと思うのがグローブやバンテージを借りるとお金がかかること。何回か通ってみて長く続けていきたいなと思ったら早めに自分用のものを買った方がいいかもしれないですね。
キックボクシング・ムエタイ
何をやろうか色々調べた結果僕が選んだキックボクシング。
フィリピンではボクシングの人気が絶対的なのでキックボクシングのジムはかなり少ないです。そのためジムを選ぶ際の選択肢は限られていたのですが、ボクシングと比べて料金が安かったのは良かったです。
僕が通っているところの料金は1回なら150ペソ、月払い1200ペソで週6回通えます。
料金が安いため設備は日本のジムほどしっかりしてないのと、あまり綺麗といえないですが、トレーナーはミット受けるの上手だったのでコスパはかなり良いと思います。
それともう一つ僕が通っているキックボクシングのジムの近くに、ムエタイのジムもありました。
料金は1回200ペソ、月払いで2000ペソ払えば週6回通えるシステム。
設備が僕が通っているジムより良さそうだったので気になっていたのですが、コロナで閉鎖してから再開するか未定だそう。生徒数も多くていい感じだったのでコロナが去ったら出稽古に行ってみようと思ってます。
ボクシングほどの人気は無いですが、最近はフィリピンのテレビでもONE Championshipが放送されているのでキックボクシング・ムエタイに興味を示す人が少しずつ増えてきているような気がします。今後に期待ですね。
柔術
フィリピンに柔術のイメージは全くと言っていいほど無かったのですが、セブには柔術のジムが結構あるみたいです。少し調べただけで柔術の練習ができるジムを5つ見つけることができました。
特に良さげだなと思ったのがPato Studio Cebuというジム。
東京都豊島区にあるPATO STUDIOの海外支部とのことなので日系のジムということになります。フィリピンのジムにしては珍しく公式サイトがちゃんとあったので今回参考にさせて頂きました。さすが日系。
本部には全日本で優勝するほどの実力を持った選手が所属しているみたいですね。
日本の公式サイトによるとPato Studio Cebuの生徒数は約40人だそうで、ジムも広くて綺麗です。セブでは最もレベルの高いジムなのではないでしょうか。
料金は入会金500ペソ、1回250ペソ、月払いで1600ペソです。
1600ペソで1ヶ月間毎日練習できます。すごいですね。日本だと柔術って他の格闘技に比べて少しだけ割高なイメージがあったのですが、フィリピンだと月約3500円で習えるんですね。セブで習える格闘技の中で最もコスパが良いのは柔術なんじゃないかと思ってます。
実は僕、キックボクシングに通い始める前は柔術を習ってみようかとも思っていました。今まで立ち技の格闘技しかやってこなかったので寝技に挑戦したいという思いがあったからです。
しかし残念ながらコロナ禍のフィリピンでは全ての柔術ジムが去年から閉まったままです。
フィリピンのルールではコロナによる規制が完全に緩和されないと柔術のジムは再開できないそうです。こちらもコロナが去ったら行ってみようかと思います。
Pato Studio Cebu:https://www.cebujiujitsu.com/
MMA
最近はフィリピン国内でもUFCやONE Championshipの人気が高まると同時にMMAに関心を持つ人が増えてきているそうです。
特にONE Championshipにはフィリピン出身のチャンピオンもいるのでこれからさらに人気が高まっていくことでしょう。
セブにもいくつかジムがあるみたいですが、なんと公式サイトがあるジムを発見したので参考にさせて頂きます。
セブに来たことがある人なら一度は訪れるであろうアヤラモールの近くにCEBU MMAというジムがありました。交通の便が非常に良い立地なので通いやすそうです。
料金は入会金500ペソ、1回なら150ペソ、月払いで1000ペソです。
月1000ペソで打撃と寝技両方の練習が週5でできるなんて最高ですよね。僕の家からのアクセスも良いのでここも気になるジムの一つです。
公式サイトを見たところ、セブ内でMMAのイベントを開催しているらしく積極的に活動しているようです。
ジムはローカル感のある雰囲気ですが、柔術衣を着用したグラップリングのクラスもあるようでかなり本格的です。
生徒数も多く皆楽しそうに練習しているので、MMAを練習する環境としてセブ内ではかなり良い方ないんじゃないかと思います。
CEBU MMA:http://cebumma.com/
おわりに
今回は僕が興味があったものを調べたついでに書いたのですが、上記以外の格闘技や武術が練習できるところもあります。
人から聞いたことがある程度の知識ですが僕の知る範囲だと、空手、テコンドー、剣道、合気道、詠春拳、散打、シラット、カポエイラなどです。
セブに住んでみるとフィリピン人の格闘技と武術に対する関心が高いことが実感できます。
余談ですが、1970年代頃には既に日本から来たタカハシなる空手家がセブにいて、フィリピン人に空手を指導していたそうです。丸太のように太い腕と素早い動きが評判で、セブの武術家の間では知らない人はいないほど有名な方だったそうな。
これは僕のフィリピン武術の先生から聞いた話なのですが、約50年前には既に日本の空手がフィリピンで普及し始めていたとは驚きでした。
どの格闘技、武術もフィリピンからすると海外のものなので、昔から多くの格闘家や武術家が普及のためにセブを訪れていたのでしょうね。
セブでは習える場所がまだ無い格闘技もあります。まだ指導者がいない格闘技や武術をやっている人は、セブでインストラクターを始めればパイオニアになれるかもしれませんね。
今回はセブで習える格闘技と武術を紹介しました。今後セブに来る予定がある人や移住予定の人の参考になればと思います。
【フィリピン武術】アーニスのドリルってなに?
ドリルと聞いて真っ先に何を思い浮かべますか?
穴を掘るドリルとか小学生のときにやらされた計算ドリルとかじゃないでしょうか。
フィリピン武術にはドリルと呼ばれる練習があるんですよ。
アーニス、カリ、エスクリマを知らない人からしたらドリルってなんだろうと思いますよね。
僕はアーニスを始めるまで、格闘技や武術でドリルという言葉を使うことを知らなくて、習い始める前にネットで調べてたときはドリルってなんだよと思ってました。
習い始めて4年目になりますが、今まで触れたことのある全ての流派でドリルという言葉が使われていたので、多分ほとんどの流派で使われているのだと思います。
今回の記事ではドリルと呼ばれる練習とはどんなものなのか、それと僕のなりにドリル形式の練習の有効性を書いていきます。
ドリルとは
ドリル(drill)は英語で反復練習、訓練、教練という意味の言葉です。
YouTubeで海外の格闘技のトレーニング動画を調べると結構頻繁にdrillという単語が使用されています。
アーニスにおけるドリルとは複数の技の組み合わせのことで、ドリル形式の練習は、決まったパターンの技の組み合わせをひたすら反復練習することを指す場合が多いです。
ドリルにはシャドーボクシングのように一人で練習するものから、対人で行う攻防形式のものもあります。
調べてみるとブラジリアン柔術やキックボクシングでもドリルという言葉を使うことがあるみたいです。
キックボクシングは高校生の頃少し習っていたのですが最近知りました。団体やジムによって違うのかもしれないです。
ドリルって実戦で役にたつんすか?
アーニスの話をすると結構聞かれるんですよね。
「同じパターンの練習ばっかりしてていざというとき使えるんすか?」
まあ疑問に思う人がいるのも当然だと思います。でも僕はドリル形式の決まったパターンの反復練習はめっちゃ役に立つと思っています。
理由はアーニスのドリルというのは防御から反撃を高速で叩き込む一連の動作を、パターン化することで無意識の反応を作るトレーニングだからです。
無意識で反撃出来るって結構便利じゃないですか。
アーニスのドリルをボクシングに例えてみます。
ボクシングのミット打ちはジャブ→フック→アッパー→ストレートなどの決まったコンビネーションが身体に染み込むまでひたすら反復して行います。
ボクサーがコンビネーションを常人離れしたスピードで繰り出せるのは、同じパターンを日頃からミット打ちで反復練習しているからです。
ボクサーの鮮やかな連撃は2手先、3手先と出す前からすでに決まっているからこそ成せる技です。これがアーニスでいうところのドリルに近いと思います。
アーニスのドリルって反復練習なのでずっと同じことやるんですよ。最初は上手くできなくて新しいことを覚えるのが楽しかったりするんですが、本当にずーっと同じ練習ばっかりしてるんで正直そういった楽しさは最初だけで段々飽きてきます。
しかしアーニスのドリルは飽きても続きます。練習を続けていれば出来ることは増えていきますが、日々の練習内容は始めたばかりの頃とそんなに変わりません。
変化があるとすれば飽きる頃には何も考えなくても身体が動くようになってくるんですよ。複雑なドリル形式の練習も、今日の昼飯何食おうかとか別のこと考えながらでも出来るようになってきます。
何も考えていなくても勝手に体が動く無意識の反応を作ることで考えたり目で追ったりしながらでは実現できないスピードを実現します。
防御から反撃、反撃から防御を無意識で出来るようになれば実戦でもかなり役に立つはずです。
終わりに
先程ボクシングで例えましたが、ブラジリアン柔術やキックボクシング、空手なども同じで、どの武術、格闘技にもアーニスでいうところのドリルに該当する練習は存在すると思います。
これは完全に僕個人の持論なのですが、武術、格闘技は沢山の技術を習得します。しかし、試合で実際に使うのは無意識に定着している技やコンビネーションを3つか4つぐらいで、それを臨機応変に使い分けるイメージがあります。
カードは沢山持っているけど、実戦に持ち込む手札は使えそうな3枚くらい。みたいな。
昔キックボクシングをやっていた頃はそんなことを考えていた気がします。選択肢は多くないほうが余計なことを考えなくて済むので。単純に頭の容量の問題かもしれませんが。
アーニスのドリルは動きをパターン化して無意識の反応を作ることに特化した練習方法です。ドリルはずっとやっていると飽きると言いましたが、飽きを通り越して無意識に体が反応する感覚をつかむと更に楽しくなってきます。
日本ではまだまだマイナーなアーニスですが、無意識に身体が反応する感覚はすごく楽しいので一人でも多くの人に体験してもらいたいなと思います。
東京都内のアーニス・カリ・エスクリマの道場と教室を3つ紹介します
現在はフィリピンのセブ島で修行している僕ですが、セブ島に来るまでは東京でアーニスを習っていました。
アーニスは、日本国内では空手やボクシングなどのメジャーな格闘技に比べると、まだまだ習える場所は多くありません。
はじめる以前、僕も習える場所を探すためインターネットで調べていたのですが、アーニスの情報って他の武術や格闘技に比べると少ないんですよね。
今回はこれからアーニスをはじめたい人向けに、僕がおすすめする東京都内でアーニスが習える場所を紹介します。
東京都内でアーニスが習える道場と教室3選
今回の記事で紹介する教室や団体以外にもアーニスを習えるところはありますが、今回はアーニスをメインに練習している団体に絞ってみました。
また、アーニスは流派によってそれぞれ特徴があります。
習い始めて3年になったので、今となっては知識も増えましたが、はじめる前は流派の違って全然わからなかったです。
なので、僕が知っている範囲で各団体の練習している流派の特徴もあわせて紹介します。
アーニスクラブ東京
アーニスクラブ東京は僕が日本で所属している団体です。
都内を中心に教室があり、高田馬場、中野、下北沢、金町、日野市、小金井市、立川市で習えます。
会費が月謝ではなく練習に参加したその都度払いなので、参加できないときは特に料金が発生しません。なので、忙しくて定期的に通える自信が無い方にもおすすめです。
流派は、モダンアーニス系のレドンダアーニスをメインに練習している団体です。
ダブルスティックとシングルスティックを中心に、ナイフや素手などバランス良く練習するのが特徴で、その他多くのアーニス流派に共通する技術を幅広く学べます。
また、アーニスにはスティックをそのまま武器として使う技術と、剣術を想定した技術と2パターンあるのですが、レドンダアーニスはどちらもを想定した流派になります。
レドンダアーニスはフィリピンのモダンアーニス連盟に加入しているため、継続的に学んでいけばモダンアーニス連盟から段位がもらえます。僕も一応初段持ってます。
僕は現在バリンタワク系と呼ばれる別系統のアーニスを習っていますが、レドンダアーニスで学んだ基礎技術が応用できたので他の生徒に比べて習得が早かったです。
また、アーニスクラブ東京はフィリピンの有名なマスターとも交流があり、レドンダアーニス以外の流派の技術も練習に取り入れています。
アーニスクラブ東京公式HP:https://www.arnisclub-tokyo.com/
ACT Eastern Training Group
ACT Eastern Training Groupはアーニスクラブ東京の中で新たに発足した練習会です。
都心部で練習を行っており、僕も参加していました。
レドンダアーニスとアバニコ・トレス・プンタスを中心に練習しています。
アバニコ・トレス・プンタスは古流の剣術流派で、全ての動きが、スティックではなく剣での戦いを想定しています。
剣術に特化した流派のため、ほぼ全ての動きをナイフ術に応用できます。
僕が今まで触れた流派の中でナイフ術が1番優れているのはアバニコ・トレス・プンタスなんじゃないかと思っています。
一見シンプルで派手さがない流派なのですが、見栄えが良いだけの魅せる技が排除されており、実戦的な動きだけで構成されています。
魅せるだけの技を排しているので、僕は勝手に玄人好みの流派だと思っています。
ただ、玄人好みと言いましたが、実戦に必要最小限の動きだけで構成されているため、比較的覚えやすい流派です。
ACT Eastern Training Groupでは自由参加でスパーリングを練習に取り入れています。スパーリングでは実戦感や間合いのとり方が学べるのでおすすめです。
ACT Eastern Training Group公式HP:https://arnisclubtokyoetg.wixsite.com/website
フジ・アーニス・クラブ
フジ・アーニス・クラブは静岡の団体ですが、東京と神戸でも練習会を開催しています。
代表の方が日本のアーニス界の第一人者で、フジ・アーニス・クラブでは本場のアーニスを学べます。
カコイ・ドセパレスやイラストリシモ・エスクリマなどその他にも多くの流派を練習しています。
カコイ・ドセパレスは昔バハドと呼ばれる決闘で無敗を誇った方が創始した流派で、スティックを用いた曲線的な打撃と関節技が特徴で接近戦を得意としています。
イラストリシモ・エスクリマはアーニス界で知らな人がいないほど有名な剣術流派で、真剣勝負から生まれた流派です。遠い間合いで戦うことを得意としています。
接近戦が得意な流派と遠い間合いが得意な流派を併用して学べるので、いかなる間合いにも対応できる技術が習得できます。
余談ですが、フジ・アーニス・クラブのホームページではアーニスの歴史や関連する書籍が紹介されているので、アーニスを既に習っている人でもとても参考になります。
フジ・アーニス・クラブ公式HP:https://fujiarnisclub.com/
真狩アカデミー
真狩アカデミーは渋谷、代々木、八王子で練習を開催しており、東京以外でも愛知、大阪、京都、徳島、広島にも拠点を持つ団体です。
ペキティ・ティルシャ・カリという流派を習うことができます。
ペキティ・ティルシャ・カリはフィリピン本国の軍隊に採用されている実戦的な流派です。
剣やナイフなど刃の付いた武器の扱いと対処法を得意としているので、ナイフ術に興味がある人に特におすすめです。
ストイックな流派であり、フェンシングの面を着用してラタン製のスティックで激しいスパーリングを行うことで有名です。
固いスティックを用いたスパーリングを行うより実戦に近い感覚を養うことができます。
有名なマスターを数多く排出している流派で、他流派のマスターでも、もとはペキティ・ティルシャ・カリ出身という方もいます。
フィリピンや日本以外にも世界各国に拠点があり、アーニス界の中でも大きな流派です。
また、真狩アカデミーは海外から著名なマスターを日本に招待して定期的にセミナーを開催しており、今までに多くの世界的に有名な先生のセミナーを主催しています。
真狩アカデミー公式HP:https://www.shinkali.com/
自分が習いたい道場や教室を選ぶ
今回紹介した3つの団体は全て、フィリピンに本拠地を置く有名な流派のアーニスを習うことができます。
なので、これからアーニスをはじめてみたい人で、どこで習えば良いのか良いのかわからないという人はとりあえずこの3つの中から選んでおけば間違いはありません。
また、スティックをそのまま武器として使う技術や剣で戦う技術、ナイフが得意な流派など各流派によってそれぞれ特徴があるので、是非参考にしてみてください。
アーニスをはじめて良かったと思うこと:趣味が人生を変えた話
僕は趣味でアーニスをはじめて3年になりました。単純に趣味としてフィリピン武術アーニスを習い始めましたが、趣味が高じてついにはセブ島に移住しました。
アーニスをはじめていなかったら海外移住なんて考えもしませんでした。
良い意味で趣味が僕の人生の方向を大きく変えたのかなと思っています。
アーニスをはじめて良かったと思うこと
僕がアーニスをはじめて良かったと思うのは以下の5つです。
- 人との出会い
- 行ったことのない場所へ行けた
- 人に教えられる事ができた
- 良い運動になる
- 話のネタになる
たった1つの趣味をはじめただけで人生が変わりました。
趣味をはじめて人生が変わった経験から、新しいことに挑戦してみるのはとても大切なことだと思います。
アーニスをはじめて良かったことを紹介していきます。
人との出会い
僕がアーニスをはじめて3年になりますが、趣味としてはそれほど長い期間ではないと思います。
たった3年という期間でも多くの人に出会えました。これから更にアーニスを続けていくと、どれだけの人と出会えるのかを考えると、とても楽しみです。
普段の生活では知り合わないような人と出会えた
アーニスいう共通の趣味を通じて様々な職業や考え方を持った人に出会えました。
就職して社会人になると仕事以外での出会いが少なくなってしまうと思いますが、同じ趣味を持っているというだけで普段の生活では絶対に関わることがないような人とでも仲良くなれます。
僕は、学生時代に凄く印象に残っていた本の制作に携わった人に出会えたて感動しました。
いろんな国の人に出会えた
アーニスは、日本人やフィリピン人以外にも様々な国の人が習っています。毎年沢山の人がアーニスを習うためにフィリピンにやってきます。
僕が通っている練習場にも毎月のように海外から生徒が来ていました。もしアーニスを始めなかったらここまで多くの国の人に出会えることは無かったと思います。
海外から来た人に今度うちの国でアーニスのイベントをやるから来いよと誘われたりもするので、コロナが落ち着いたら行ってみようかと思っています。
海外へ行けた
僕はアーニスを始めるまで海外に行ったことがありませんでした。興味がなかったわけではありませんが、高いお金を払ってまで海外旅行に行きたいと思わなかったからです。
アーニスを習い始めることで今までやらなかったことにも興味を向けられたので、視野が広くなったと思います。
アーニスの練習で初めて海外に行った
僕の初めての海外渡航はフィリピンでした。2018年、FMAフェスティバルというアーニスの大きなイベントに参加したのがきっかけです。
アーニスを初めて半年くらいの頃でしたが、もっとアーニスが上手くなりたいと思い参加することにしました。
初海外だったので、見渡す限り全てが新鮮だったのと、日本語以外の言語で何かを習うのも初めてで戸惑ったのを鮮明に覚えています。
FMAフェスティバルは10ヶ国以上がら参加者が集うグローバルなイベントで、様々な国の人とアーニスを通じてコミュニケーションを取るのはとても楽しかったです。
この初海外の経験から、いつかフィリピンでアーニスを習えたらいいなと考えるようになりました。
アーニスを習うためセブ島に移住した
結果的にアーニスを習うため、FMAフェスティバルに参加して約1年後の2019年からセブ島に移住しました。
アーニスの本場であるセブ島で学べるのはすごく楽しいですが、アーニス以外でも日常生活で英語を使ったり現地企業に就職したりと日本に住んでいたらできなかった経験ができました。
人に教えられる事ができた
日本でアーニスをはじめてからは夢中になって練習していたのですが、真剣に練習していたため、セブ島でインストラクターの資格をもらえました。
僕はアーニスをはじめるまでなにか1つの物事に真剣に取り組むことがありませんでしたが、今では僕の通う練習場に海外から来る生徒に教えたりできるようになりました。
また、僕の習っている先生と共にセブ島のサンノゼ大学に招かれてデモンストレーションとセミナーをやったのは貴重な経験になりました。
今まで人に教えてあげられるようなことはなに1つなかったのですが、少しでも人に教られるレベルになると大きな自信になります。
僕はアーニスを始めたおかげで自信を持って人に教えられることができるようになりました。
良い運動になる
アーニスは競技ではないので、格闘技と比べると運動量はそんなに高くありません。しかし、身体を動かすことには変わりないので、真剣にやると結構いい運動になります。
運動を習慣に取り入れると、日常生活で疲れにくくなります。
また、最近コロナウイルスによるロックダウンの影響でしばらく練習できていないのですが、ちょっと太りました。
そんなに運動量は多くないと言いましたが、継続的にやっていれば身体を引き締めるくらいの運動にはなるんだなと実感しています。
話のネタになる
アーニスをやっている人は日本だとまだそんなに多くないので、ほとんどの人がアーニスを知りません。セブ島に住んでいる日本人にも知っている人はほぼいませんでした。
ただ、V6の岡田くんがやっているやつと言えば通じることもあったり、知名度が低いが故に話のネタになったりします。
日本だと武器術を習っている人がそんなにいないのと、2本使う棒術やナイフ術は結構レアなので興味を持ってくれる人もいます。
趣味が人生を変える
アーニスをはじめて良かったと思うことを書いてみましたが、アーニスを初めなかったら今の生活は無かったと思うと、本当にやってみて良かったと思います。
アーニスに限らず新しいことをはじめると出会いがあったり、知らなかったことが知識に触れたりできます。
僕は、アーニスをはじめて人生が変わったので、挑戦してみることの大切さがわかりました。これからも興味があることはできるだけ挑戦したいと思います。
【アーニス・カリ・エスクリマ】用語集【メモ】
アーニス・カリ・エスクリマの用語ってネットで調べてもあんまり出てこないんですよね。
日本に出回っている情報量が少ないことや、流派によって用語が変わるので共通認識として浸透しにくいのかなと思います。
今回は私が知っているアーニス用語を自分用のメモとしても記事にしておきたいと思ったのでまとめてみました。
アーニスの用語集
アーニスの用語は同じものを指す言葉でも流派によって違いがあるなどちょっと複雑です。
技術用語
アーニスの技術に関する用語をアイウエオ順でまとめました。
アバニコ
アバニコはスペイン語で扇や扇子という意味。手首を回してスティックで弧を描くように打つ打撃。
アムラ
アンニョと同じ意味。バリンタワク系の流派でよく使われている印象。
アンニョ
自由演舞、型が決められていない自由な素振りのことをアンニョといいます。シャドーボクシングのようなもので、アンニョを見ればその人の技術や力量がわかります。
エスパダ・イ・ダガ
スティックとナイフによる二刀流スタイル。スペインの剣術がもとになっているスタイルでフィリピン武術の中では古い技法です。
両手に長さの違う武器を持って戦うスタイルは他の武器を使う際にも応用ができる技術です。
エンプティハンド
素手で戦う技術。スティックで習得した動きをそのまま応用して戦うのが特徴。
パンチ・キック・エルボー・頭突き・目潰し・関節技など幅広い技術を使います。
オッチョ
スペイン語で数字の8を意味するオッチョ。アーニスの用語としてはスティックで斜めに斬ることを意味しています。
流派によってはオッチョという呼称を使わないこともあります。
グンティン
相手のパンチや蹴りを自分のエルボーなど固い部位で意図的に受けることで相手の手足を破壊する技術。
攻撃してきた相手に合わせて急所にカウンターを入れることもグンティンといいます。
コリダス
パラカウと同じ意味
コンバットジュードー
ドゥモグと同じ意味。流派によっては関節技をコンバットジュードーと呼びます。
アメリカ軍で採用された格闘術が由来でコンバットジュードーという名前になったそうです。
シナワリ
二人一組で向かい合って打ち合うダブルスティックの練習技法です。互いにタイミングと間合いを合わせて行う練習で、両手を使うことから脳トレ要素もあります。
シングルスティック
1本のスティックを片手で扱うスタイル。アーニスの中で最もスタンダードなスタイルで、練習で最も時間を費やします。
ゼロ
構えた状態から弧を描くようにスティックを垂直に振り下ろす打撃をゼロと呼びます。スティックを振り下ろす起動が数字のゼロを描くことが由来です。
ソンブラダ
上から振り下ろされる打撃を上段で斜めに受け流す技術。ソンブラダはスペイン語で傘を意味します。
ソンキット
突きのことをアーニスではソンキットと呼びます。直線的な突きだけではなく軌道の読みにくい曲線的な突きなどもあります。
ソンキティ
ソンキットと同じ意味。流派によって呼び方が変わります。
タピタピ
相手がプニョ(刀の柄部分)で打ってくる打撃をタップでいなす技術。モダンアーニスでは互いにプニョで交互に繰り出しタイミング良くいなす練習をタピタピと呼びます。
ダーティボクシング
ボクシングの技術に、通常のルールでは禁止されるアーニスの技術をミックスして作られた護身用の技術。エルボーや目潰しなどの技術を使う。
ダブルスティック
両手にスティックを持ち戦う二刀流スタイル。
チェックハンド
相手の攻撃をガードした際、空いている手で攻撃してきた相手のスティックや手を抑える技術。
ディスアーム
相手の武器を奪う・落とす技術。アーニスが海外の警察や軍隊に採用るに至ったきっかけとなった技術。
ディキタン
ディキタンは近接格闘やCQCを表す言葉です。
ドゥモグ
関節技・組技。相手を取り押さえるものや、首を極める危険な技もあります。
バッティング
スティックのプニョ(柄の部分)で相手を打つ接近戦の技術。逆手に持ったナイフ術やクボタンに応用されます。
パクガン
相手がスティックで打ってきた攻撃を自分のスティックで受けることをパクガンといいます。素早くカウンターを打つために、パクガンを省略することもあります。
パラカウ
1対1で行うシングルスティックの練習方法です。多くの流派で練習のメインとして行われています。
大まかにパターンは決まっていますが動きがランダムで行われるため、相手の攻撃に対して瞬時に反応する感覚を養うことができます。
バンダ
水平打ち・水平切りをバンダと呼びます。全ての流派で共通した呼び名ではありません。
プンタ・イ・ダガ
エスパダ・イ・ダガの別名
マノマノ
エンプティハンドの別名。スペイン語で両手を意味する言葉。一般的なフィリピン人はアーニス用語ではなく、ボクシングのことをマノマノと呼ぶそうです。
レドンダ
スペイン語で円形を意味する言葉。流派によって異なりますが、ダブルスティックでテンポ良く打ち込み続ける技や、円を描くように垂直に撃ち抜く技をレドンダと呼びます。
後者はゼロと同じ技です。
武器用語
アーニスで使う武器について解説していきます。
スティック
アーニスで使う長さは約70センチ程の棒。用途によって様々な素材で作られものがありますが、普段の練習ではラタン(藤)製のスティックを使います。ラタンは竹と同じく縦に繊維の入った素材のため折れにくく、打ち合う練習に向いています。
オリシ
スティックの別名
ナイフ
片刃、両刃、カランビットなど様々なタイプのナイフを使います。基本的にスティックと同じ動きでナイフを使えるのがアーニスの特徴です。
ダガー
日本では法律で禁止されている両刃のナイフですが、フィリピンでは日本のような厳しい規制がありません。そのため、アーニスのナイフ術では両刃ならではのテクニックがあります。
カランビット
柄の部分に指を通すための穴が空いた、鎌のような刃を持つナイフです。以前FPSなどのゲームで採用されたこと知名度が上がりました。元はインドネシアのシラットで使われるナイフだったそうです。
因みに、僕がアーニスを始めるきっかけになったのがカランビットでした。
デュロデュロ
握ると両端がはみ出るくらいのサイズの短い武器です。非常にコンパクトなサイズで、フィリピンではアーニスを習っている人が護身用として持ち歩くことも多いです。デュロデュロの技術はクボタンやタクティカルペンに応用することができます。
プニョ
スティックや剣の柄の部分をアーニスではプニョと呼びます。
プンタ
スペイン語で先端を表す言葉。アーニスではスティックや剣の先端をプンタと呼ぶことがあります。
間合い
アーニスでは間合いをコルト・ミディオ・ラルゴと呼びます。
コルト
スペイン語で近距離を意味するコルト。英語ではShortと同じ意味。パンチで相手を攻撃できるくらいの近い間合いをコルトと呼びます。
ミディオ
スペイン語で中距離を意味するミディオ。英語ではMiddleと同じ意味。アーニスではスティックの上半分で打ち込めるくらいの距離をミディオと呼びます。
ラルゴ
スペイン語で遠距離を意味するラルゴ。英語ではLongと同じ意味。スティックの先端が相手に届くか届かないかの距離をラルゴと呼びます。一撃で勝敗が決まる剣術流派はラルゴの技術が豊富です。
まとめ
自分の知っているアーニス用語を書けるだけ書いてみました。この記事に書いてある言葉以外にもアーニスには僕の知らない言葉がたくさんあると思います。
ここに書いていない言葉や、間違えている言葉があれば連絡頂けると助かります。
【アーニス・カリ・エスクリマ】フィリピン発祥の実戦武術を紹介します
アーニスという武術をご存知でしょうか?
カリやエスクリマと呼ばれることもあり、日本ではカリの名称で呼ばれることが多いです。
名前はなんとなく聞いたことあるけど、よく知らないという人も多いと思います。
この記事ではフィリピン武術、アーニスをセブ島で学んでいる私がわかりやすく紹介していきます。
アーニスとは?
アーニスは、スティック・剣・ナイフ・素手・関節技などを主に使うフィリピン発祥の総合武術です。
もともと護身や個人的な決闘の技術として発展してきましたが、近年ではスポーツ化も進み、正式にフィリピンの国技となりました。
現代ではフィリピンの学校教育にも取り入れられています。
フィリピン以外にもヨーロッパやアメリカで特に人気があります。海外では実戦的な武術として高く評価され、軍や警察の格闘術としてアーニスを採用している国もあります。
棒術をメインに練習する流派が多いですが、棒の技術をそのまま剣術・ナイフ術・素手に応用しているのが特徴で、幅広い技術を効率よく習得できるように作られています。
アーニス・カリ・エスクリマ
アーニス・カリ・エスクリマ
なんで名前が3つもあるの?なにが違うの?
はじめて聞くと誰でもそう思いますよね。
理由は諸説ありますが、フィリピンは過去に、長い間スペインとアメリカに植民地支配されていました。こうした複雑な歴史の中で3つの名前が生まれていったそうです。
現代では名前が3つありますが、全て一つのフィリピン武術を指す言葉です。
つまり、アーニス=カリ=エスクリマということです!
因みにフィリピンではアーニスという名前が最も使われており、一般人にカリやエスクリマと言っても全く通じません!
アーニスの特徴
アーニスには数多くの流派が存在するのですが、ほとんどの流派でスティックを最初に練習します。
スティックは長さ70cmほどのラタン製の棒で、流派によってはバストンやオリシとも呼ばれます。
私が習っている流派ではスティックと呼ばれているのでここではスティックと呼ぶことにします。
スティックは、ただ単に相手を殴るだけではなく、関節技を極めたり、スティックを使ってディスアーム(武装解除)をかけたりします。
シンプルな短い棒ですがその技術はとても奥が深いです。
アーニスは最初に練習したスティックの技術を中心にナイフ術や素手に応用していきます。
なので、ぶっちゃけスティックだけちゃんと練習しておけば後からナイフや素手の技術も簡単に習得できます!
アーニスで練習する技術
アーニスで練習する主な技術を紹介します!
シングルスティック
ほとんどの流派で最も時間をかけて練習するのがこのシングルスティックです。片手にスティックを持ちもう片方は素手の状態です。
流派によってスティックを刀剣として練習する流派やそのまま棒術として練習する流派があります。
空いた方の手で相手のスティックを掴む・奪う、関節技を極めたりそのままパンチを打つなど多様な技術が使えるのが特徴です。
スティックを片手で扱う特性上ナイフの技術と互換性が高く、ナイフ術が有名な流派でも実はシングルスティックに最も重点を置いて練習していたりします。
ダブルスティック
両手にスティックを持つスタイルで、昔はこのスタイルが最も重視されていたそうです。
アーニスを始めたばかりのころは両手でスティックを使うことに戸惑いますが、慣れてくると自分の手のように自在に操れるようになってきます。
スティックを両手で扱う特性上こちらは素手の技術と互換性が高く、ダブルスティックをちゃんと練習しておけば素手も早く上達します。
エスパーダ・イ・ダガ
エスパーダ・イ・ダガはスペイン語で剣と短剣を意味しており片手にスティックもしくは剣、もう片方の手に長めのナイフを持ったスタイルです。
スペイン剣術をもとに発展した技術で、アーニスの技術の中では最も古いスタイルになります。
流派によってはエスパーダ・イ・ダガを練習しないところもあります。
そういった流派でもシングルスティックの空いた方の手でパンチを打ち込む、エスパーダ・イ・ダガと同じ動きをする技術があったりします。
ナイフ
アーニスはナイフ術の印象がとても強い武術だと思います。
フィリピンでは日本よりもナイフが身近な存在だったりします。その辺にナイフを携帯している人が普通にいて、昔はナイフを使った決闘なんかも行われていたそうです。
アーニスのナイフ術はそういった決闘や護身歴史ので磨かれていき、軍隊の格闘術に採用されるレベルに昇華しました。
ナイフ術にも流派によって斬るのが主体の流派や、突きが主体だったりと特徴がそれぞれ異なります。
素手
アーニスの素手は普段練習しているスティックの技術を応用しつつ、突き・手刀・肘打ち・膝蹴り・頭突きなど、幅広い攻撃手段を用いて戦います。
素手にも呼び方がいくつかあり、エンプティハンドやマノマノと呼ばれています。
因みにフィリピンでは一般的にマノマノというとボクシングを指す言葉だそうです。
関節技
アーニスでは全てのスタイルで関節技を使い、流派によってロッキングやドゥモグ、コンバットジュードーなど様々な呼ばれ方をしています。
素手だけではなく手に武器を持った状態でも同様の関節技をかけられるように作られているのが特徴です。
ディスアーム
ディスアームとは武装解除のことで相手の武器を落とす・奪う技術です。
武器対武器や素手対武器など様々なパターンを練習します。護身術として非常に有効で、海外の警察や軍隊の格闘術として採用される大きな要因となった技術です。
日本のアーニス
実は日本にも、アーニスを習うことができる教室や団体がいくつもあります。
ちょっと前まで日本においてアーニスはかなりマイナーな存在で、本当に知る人ぞ知る武術でした。
しかし、最近では映画のアクションシーンで使われたり、テレビ番組で度々紹介されるようになり、アーニスに興味を持つ人も増えてきています。
今回の記事で少しでもアーニスに興味を持ってくれたなら幸いです。